気軽に立ち寄れるコーヒーショップにすること、ドライフラワーのワークショップや写真の展示をすることなど、地域の人が交流出来る使い方を規定しない場が求められた。

そこで、ファサードがそのまま店舗の顔になるカフェではなく、店舗内部に三角形のコーヒースタンドを設え、開放的な開口と連続するその他の空間をギャラリーと設定し大テーブルを置くことで、小さな店舗の中に性質の異なる2つの空間を併置させるプランとした。

店舗内においてもカウンターで購入したコーヒーをテイクアウトし、ギャラリーで飲むような雰囲気をつくることで、外のベンチや通りに出て飲む行為がグラデーショナルに繋がる。そうすることで街全体の中のひとつの場としての感覚が生まれ、気軽さに繋がるのではないかと考えた。

また、2つの場は単に2項対立の関係にはせずに、木部の扱いを共通させた要素を点在させている。これらは雑多なモノや人を受け入れつつも、店舗全体としてのイメージを担保している。

点在する要素は、仕上げの解像度を上げ構造化することを試みた。平面的な素材の配置ではなく一定のカタチが与えられることで、使い方の想像力を喚起するのではないかと考えている。

設計監理:

トンボアーキテクツ/tombow architects

共同設計:長谷川 祥

施工:ビリーフデザイン

撮影:土屋 光司

Award:千葉市都市文化賞2020 景観広告部門 優秀賞