愛媛県西条市での戸建て住宅の改修計画。客間、居間、キッチン、廊下が均等割りされていた既存プランに対し、大きなワンルームへの変更と断熱性能の向上が求められた。
南面の窓際へ内断熱とインナーサッシを付加すると共に、くの字型のペリメーターゾーンをつくることでワンルームにくびれを設けている。この「くびれ」によりリビングダイニングとキッチンの領域を緩やかに分けており、くの字型のスペースは深さによって収納からデスクへと変化している。
北面には水回り、階段、パントリー、キッズスペースなどがまとまっている。既存では廊下を挟んで仕切られていた諸室をリビングダイニングキッチンに面する建具によってそれぞれにアプローチできるようにした。この建具は来客対応や時間帯など生活のシーンによって開き具合を調整可能で、時には壁として振る舞う。
動く存在(北面建具)と動かない存在(南面家具)、対となる2つのレイヤーを用意することで、環境や生活に対し細やかに呼応している。